2009年12月31日

ピーからの挨拶


 薪ストーブを焚いていると、ピーのやつは、おとなしくソファーで寝てばかり。今日は、一日中庭で遊んでいたから疲れたのだろうか、それともストーブの暖かさがよほど気持ち良いのだろうか。

 それから子猫のピーが、皆さんに年末の挨拶をしたいそうです。まだ、皆さんは猫語がお解かりにならないと思いますので、僕が通訳します。

  「今年は、いろいろお世話になりました。皆さん、特にKさんのおかげで、この世に生き延びることができ、そして素敵な主人に出会うことができました。毎日 を楽しく健康に過ごしています。来年には、立派な山猫になるように精進しますので、引き続きご支援のほどをよろしくお願い致します。では、皆様、良い年を お迎えください。」  以上

ミヤマホオジロ


 小屋でストーブの火を眺めていたら、北側のログ壁でゴトンと音がした。何かが追突したらしい。窓からのぞいたら、小鳥だとわかった。かなりのショックだったのだろう、近くのケヤキの枝に止まってじっと休んでいる。胸に黒色の三角形班、眉班と喉は黄色、頭の冠羽が目だっている。 おぉー! ミヤマホオジロの雄だ!
 これは西日本に多く渡ってくる冬鳥だ。この辺では珍しい。それとも近年の温暖化で、東日本でも普通に見られるようになったのだろうか。彼が30分ほど休んで脳震盪を癒している間、じっくり観察することができた。胸の黒の三角と喉の美しい黄色が印象的だった。

2009年12月26日

薪ストーブを焚く

 僕のスリッパにじゃれていたピーが、突然、壁板を凝視した。何を見つけたのかと思ったら、クサギカメムシだった。ストーブで部屋が暖められたので、部屋のどこかで越冬していたのが這い出してきたのだろう。ピーは、得意の猫パンチで攻撃しているが、どことなく腰が引けている。ひどく臭いのだろう。ついにカメムシは無事に逃げ延びた。こんな小さな虫が、強烈な臭気を放つおかげで、猛獣の子猫を退散させたのだ。

 今週から、薪ストーブに火を入れた。これまで小屋でゆっくり過ごすことも少なかったし、薪ストーブを焚くほど、寒い日が無かったからだ。つくずく薪ストーブは、いいものだと思った。生活空間のすべてが優しく暖まって、身体はもちろん心までくつろぐ。それに、メラメラ燃える火を眺めているだけで、ゆったりした時間を味わえる。時々、小さくはじける音とゴトリと薪が転がる音がするだけ。この安物の薪ストーブがあることで、どれほど冬の生活が楽しく豊かになることか。 静まり返った山小屋で、子猫をひざに乗せて、赤々と燃える薪の炎をぼんやりと眺めている・・・・・なんか映画か小説のワンシーンのようで、一人で笑ってしまった。

2009年12月18日

12月の朝


 懸案の宿題も、夕べで終わって、今朝はさっぱりした気分で目覚めた。風は冷たいが、快晴の天気である。枯れたススキの穂に日が当たって美しく輝いている。蓮池には、薄い氷が張っている。ほとんどの落葉樹は葉を落とした。その上に霜が白く降りている。日陰は、いかにも寒そうだ。それでも、ピーのやつは外に出たいと鳴くので、出してやった。さっそく、いつものように、カツラの木に登って遊んでいる。僕は小屋の中でFMから流れる音楽を聴きながら、その様子をぼんやりと眺めている。静かだ。平和だ。ずうっと昔から望んでいた時間とは、こんな瞬間だったのかなとふっと思った。

2009年12月8日

添い寝の相手


ベットで寝ていたら、左の頬に何か暖かくやわらかなものが触れるたので目が覚めた。闇のなか、薄目を開けて見ると、僕の隣に、可愛い「女の子」が添い寝している。・・・ まるで、聊斎志異の世界だ。もっとも、僕の場合は、隣に寝ているのが狐でも幽霊でも柳の精でもなく、子猫のピーだけど。

近頃、めっきり寒くなったからか、僕が眠り込んだ後、ひとしきり小屋の中で走り回ってから、そうっと布団にもぐりこんでくる。そして、朝まで添い寝するのだ。その格好が、実に可愛い。僕の腕を枕にして、お腹を上にして気持ちよさそうに眠っているのだ。時々、夢でも見ているのか小さな声で鳴く。僕が寝返りを打っても起きない。こんな姿を見て、この小さな動物にすっかり信頼してもらっているのだと思うと嬉しくなってくる。

ここで、最近読んだ本を紹介します。それは先月25日に出版したばかりの中公文庫で、タイトルは、「猫」。 猫と暮らし、猫を愛した作家たち(井伏鱒二、谷崎潤一郎、大仏次郎、寺田寅彦、柳田國男など)が、半世紀前に、思い思いに綴った珠玉の短編集です。是非、この本を読んでいただきたい。きっと、ますます、猫が好きになるでしょう。

2009年12月6日

やさとの雲海




今日は、筑波山ファンクラブの観察会がある。朝起きると昨日の激しい雨は止んでいて、青柳の谷いっぱいに朝霧が立ち込めている。ライトを点灯して、ゆっくりと筑波山南山麓の六所に向かった。六所に行くには、途中、急な峠を越えなければならない。尾根道では、霧はもっと濃いかもしれないと心配しながら、十三塚の集落を走った。すると、突然、あたりに透き通るような光が溢れて視界がくっきりと開けた。集落の上半分からは、朝霧がうそのように消えて、朝日がまだ紅葉の残っているクヌギの森を照らしている。
集落を登りきった高台で振り返ると、後にした八郷盆地の底に溢れるように真っ白な雲がたなびき、それに透明な光が当たって、荘厳ともいえる光景が展開していた。息を呑むような美しさである。思わず、車を止めカメラを取り出した。この光景は、年に数回現れるという八郷盆地の雲海である。雲が、盆地を埋め、山の頂だけが孤島のように突き出ている。集合時間のことなどすっかり忘れて、ただ、呆然と見とれていた。(写真をクリックすると大きくなります。右の山懐に木守小屋があります)

2009年12月4日

イチョウもすっかり裸になった




 昨日と一昨日の2日間、ピーに留守番させて、流山に帰っていた。どんな様子だったか気になっていたが、思いのほかおとなしく過ごしていたようだ。悪戯も無かったし、部屋も汚してなかった。山盛りにしておいたキャットフードだけは、すっかり空になっていた。よく食べて、よく寝て、遊んでいたようだ。ドアを開けるなり、よろこんで飛びついてきた。
 今日は、朝からすっかり晴れて、低い位置の太陽が庭の斜面に沿って光を投げかけている。紅葉した葉を照らす光が、逆光となって美しい。森のほうから、サワワーという音が聞こえる。なんだろうと思ったら、時折吹く過ぎる風が、森の枯葉を落す音だ。近くの銀杏畑のイチョウも、すっかり葉を落とした。
 二日間も、小屋に閉じ込めておいたので、ピーを庭に出した。最近は、自分の縄張りをつくったようで、外に出してもあまり遠くに行かない。僕も、安心して自分のことが出来るようになった。(写真をクリックすると大きくなります)