2017年7月11日

帰りに迷いこんで


 
 
 外国旅行の写真ではない。たった二十年ほど前、この辺は原野と林が広がっていて、僕が休日のたびに、双眼鏡を持って野鳥を追いかけていたところだ。今日、自宅の帰りに思い立って寄り道した。そして、その変わり様にまったく驚いた。当時の面影はどこにも無く、もう、異次元の世界である。隣の大型書店のガラスドアを開けると、思わず息を飲んだ。ずっと奥まで続くフロワーには、色鮮やかな本や文具、生活雑貨が無数に並んでいる。所々にあるテーブルと椅子には、着飾った若くて綺麗な女性や可愛い子供たちが座って、何か色のついたものを飲んでいる。僕は、異邦人のようである。こんな場面に出会うと、いつも頭を過ぎるフレーズがある。「これが、多くの人が大好きな大量消費生活、それに支えられた資本主義経済というやつか!」と。

 自分の姿は、ヨレヨレのシャツに薄汚れたジーパン姿のいつもの八郷スタイルである(笑)。親切そうな女店員の目が、「ここは、あなたのような方の来るところではありません」と言っているようで落ち着かない。早々に立ち去ることにした。やっぱり、早く八郷の山小屋に戻ろう!植物やピーと友人たちが待っている。
 僕にとって、本当に「豊かな生活」を送れる場所は、ここではないとハッキリと再認識した帰り道であった。



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