2018年1月2日

初詣


明けましておめでとうございます。
今年も、どうぞよろしくお願いいたします。



 毎年、初詣は山小屋の上にある龍神様と薬師堂に決めている。それらは、静かな山道を登った先にある。今ではほとんど訪れる人もいない。それでも、龍神様にはワンカップのお酒とお賽銭が供えてあって、周囲の森は綺麗に手入れされていた。まだまだ、素朴な信仰が生きているのを知って嬉しくなった。



 山道を息を切らしながら登っている間、昨夜読んだ寒山詩の一節を思い出して、何度も呪文のように繰り返し唱えて苦しさを紛らわせた。この詩の全文は下記の通り。
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「歳去って愁年を換え 春来たって物色鮮やかなり
山花緑水に笑い 巖樹青煙に舞う
蜂蝶みずから云に楽しみ 禽魚更に憐れむべし
朋とし遊んで情未だ已まず 暁に徹して眠ること能わず」

念のために、久須本氏の現代語訳を下記に紹介します。暇な方はご一読ください(笑)。
まことに正月に相応しい内容だと思う。(新暦ではちょっと早すぎるか?)

「一年は過ぎ去って、心配ごとの多かった年は改まり、新しい春が訪れて、自然の景色は実に鮮やかである。山に咲く花は、緑の水に映じて微笑みかけているようだし、岩に聳え立つ樹々は、青い春霞に舞いたわむれているようである。蜂や蝶はそれぞれ楽しそうに飛びまわり、鳥や魚は誠にかわいい。これらを友として遊んでおれば、限りなく情趣がわいて、夜も眠られずに、とうとう明けがたを迎えてしまった。」
                               (座右版 寒山拾得 久須本文雄著 講談社1995 )





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